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【重要】ラミネートべニアでミスらないための歯科技工所とのコミュニケーションや注意点!

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新人ドクター

歯科技工所から受け取ったラミネートべニアって薄くて割れそうだし形成も難しそうだな~。

おもいっきり支台歯を削って前装冠とかジルコニアクラウンにしといた方がミスらないし無難じゃない?その辺、技工士さんとコミュニケーションとって聞いてみたいな。

そんな悩みに答える内容となっています。

歯科技工士

筆者は、ラミネートべニア10年以上の経験(エンプレスの時からの実績)があり、いろいろな失敗を繰り返して技術を改善してきました。そんな私が上記の悩みに答えていきますので最後までご覧ください。

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ラミネートべニアでミスらないための歯科技工所とのコミュニケーションや注意点!

ここからは、ラミネートべニアでミスらないための歯科医院⇔歯科技工所とのやり取りや作業ステップを紹介していきます。

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診断・診断用ワックスアップ

患者さんの主訴が前歯部の審美改善の場合ラミネートベニアの選択も視野に入ってくると思います。

まずはスタディモデルを作るための印象と口腔内の写真画像、レントゲン画像をそれぞれ用意して治療ゴールをシュミレーションしていきます。

診断用ワックスアップを始めて大幅に削合しなければいけない場合はこの段階でドクターと相談しましょう。そもそもそういうケースは矯正を視野に入れて治療を進めるべきかもしれません。

次に考えなければいけないのは、ラミネートべニアをする目的が、「色」の改善なのか「形」改善なのかを知っておく必要があります。

  • 色の改善の場合

土台となる歯の色が極端に変色していたりすると注意が必要です。

つまり土台となる支台歯の色が悪いと、透明なラミネートが悪い色を拾って狙いたい色を再現できない場合があるのでケースによって注意が必要です。

  • 形態を改善する場合

診断用ワックスアップをして最終的な形態が再現できるようなら問題はないと思います。

ブラックトライアングルがある場合は形成を注意する必要があるのでドクターと相談しましょう。

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プロビジョナルレストレーション&ノートブックテクニック(技工用シリコンパテ)

診断用ワックスアップで形態が決まったらその形態に基づいてテンポラリークラウンを用意しておきます。

ラミネートベニアの厚み分(0.5〜0.7㎜)模型を削合をしてから即時重合レジンにて製作。

このテンポラリークラウンをCAD/CAM を使って制作したこともありますが、この厚みで適合の良いもの作るにはまだ再現性が低いかなと感じます。

次に出来上がったテンポラリークラウンに技工用のシリコンパテを使ってコアをとっておきます。

このシリコンパテを実際に口腔内で使って、形成する歯をどのぐらい削ったらいいかどうかの指標にします。

ブラックトライアングルを埋めたい時は隣接面までしっかりと削ってドクターに伝えておきましょう。

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シェードテイキング&インゴットの選択

  • シェードテイキング

ラミネートベニアのシェードテーキングに関してはジルコニアクラウンと同様の作業になります。

(隣在歯が不良補綴物だったり変色歯の場合)口腔内で色を合わせるための参考にする歯を決めてから、その歯の色に最も近いシェードガイドを決めます。

その決めた歯とシェードガイドを比較した写真を撮ってもらいます。この時シェードガイドは一本だけじゃなくてメインのシェードガイドに近いシードガイドも一つか二つ選んで撮影してもらうことが望ましいです。

  • インゴットの選択

ラミネートベニアの場合はレアリング(陶材築盛)するスペースがほぼないので色のシフトは表面にステインを一層塗るだけになります。

つまりインゴットの選択が重要な鍵を握ってきます。

何が言いたいかと言うと、支台歯の色が暗かったら少し明度を明るくするのインゴットを選んで、反対にしだい歯の色が明るかったらめいどのくらいインゴットを選択します。

といった感じで、シェードテイキングとインゴットの選択がラミネートべニアで色を再現する重要なポイントとなってきます。

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ラミネートベニア完成&セット

この段階までくると形態はほぼ決まっていて、診断用ワックスアップの形態を作業用模型に移行してファイナルに置き換えるだけなのでそれほど複雑ではないです。

単独のラミネートベニアで隣在歯に色を合わせないといけない場合はステイニングに時間がかかりますが、前歯部の6前歯で形態の改善を目的としたラミネートベニアはとても綺麗な仕上がりでフィニッシュできます。

上記のように一つ一つのステップを確実に進めていけばドクターもテクニシャンもストレスなく治療のゴールまで進むことができます。

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ラミネートべニアでミスらないための歯科技工所とのコミュニケーションや注意点! まとめ

いかがでしたか?

本記事での作業工程を簡単にまとめると、

  1. 診断・診断用ワックスアップ
  2. プロビジョナルレストレーション&ノートブックテクニック(技工用シリコンパテ)
  3. シェードテイキング&インゴットの選択
  4. ラミネートベニア完成&セット

といった感じでした。

ラミネートべニアの形成は慣れるまで簡単ではないと思いますが、この記事がきっかけになっていただけると幸いです。