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クラウンが高い!割れた!咬合調整を少なくするために注意すべきポイントを紹介

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クラウンが高いと調整に時間がかかって大変なんだよね、セット後もジルコニアが割れたりするし・・・。なんとか調整を少なしてトラブルをなくしたいな。

ドクターがバイトをとる時に気を付けたほうがいいこととかある?技工士さんとコミュニケーションしてみたいな~。

そんな悩みに答える内容です。

歯科技工士

本記事は咬合器にマウントをし続けて10年以上の一応ベテラン技工士マサが日ごろから気を付けている点をまとめた記事になります。

インターオクルーザルレコードとか顆路測定法とか難しい話ではなく、あくまで基本的な話なので気軽な感じでご覧ください。僕も正直難しいことはよくわからないので(^^;

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クラウンが高い!割れた!咬合調整を少なくするために注意すべきポイントを紹介

以下でクラウンの咬合調整を少なくするために注意すべきポイントを紹介していきます。

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注意点1 模型の変形

作業用模型を咬合器にマウントする前に模型の変形を修正してから咬合器に装着します。

なぜ変形している事が分かるのかと言うと、口腔内で採ってもらったシリコンバイトを上下の模型に介在させてマイクロスコープで確認してみるとほとんどのケースでしっかり咬み合わず浮いている状態です。

歯列弓全体で見てみても、シリコンバイトが噛み合って抜けている部分と、石膏模型を噛み合わせた時に当たっている箇所を確認してみても一致することはほとんどありません。

なぜなら模型が変形しているからです。

筆者の場合はほとんどのケースで、咬合器にマウントする前にはシリコンバイトを介在させて石膏模型の強い当たりの調整を行って、マイクロ下でシリコンバイトがしっかりと収まるまで調整してから咬合器に装着していきます。

その他にも、マイクロスコープで石膏模型の咬合面や上顎前歯の舌側面を観察してみると、一部が伸びていたり小窩裂溝に気泡がみられます。マウントする時、浮き上がりの原因になるので注意して削合しておきます。

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注意点2 シリコンバイト

バイト全体がしっかり咬んでいますか?

テクニシャンは咬合器にシリコンバイトを使ってマウントする前に、シリコンバイト自体を観察してください。

全体的にしっかり咬み合っている状態が確認できればいいのですが、

よくあるのが前歯部だけ強く噛んでいて臼歯部の6番7番あたりが噛んでいないようなバイトだったり、歯列の中で一箇所だけ当たっていてその他全体が噛んでないケースだったり。

そのような場合はドクターと相談してから作業進めていくのが無難だと思います。

なぜなら、実際は患者さんの口腔内ではもっと安定する位置で噛んでいる場合があるからです。

結果、チェアサイドでの調整に時間がかかってしまい、最終的には補綴物が割れたり再製になったりと、、いいことがひとつもないのでこの段階でのドクターとのコミュニケーションは大切にしましょう。

石膏模型にバイトを介在させる前には、バイトの必要のない部分は浮き上がりの原因になるのでデザインナイフでカットしておきましょう。

例えばバイト材の小窩裂溝の部分は模型にしっかり治らない要因となるので前もってカットしておきます。他にも隣接面やアンダーカットに入り込んだ部分は切り取っておきましょう。

最終的にはマイクロスコープで確認しながら、上下顎の石膏模型がシリコンバイトにしっかりと収まって咬み合った状態になるまで調整してから咬合器に装着します

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注意点3 その他マウント時の注意点

前歯部のマウント

上記の項目に注意しながら咬合器にマウントしていくわけですが、前歯部を補綴して行く場合は咬合器に対して咬合平面がずれていると目の錯覚を起こして前歯部の歯軸が傾く恐れがあるので顔貌写真と照らし合わせて咬合器にマウントしていくといいでしょう。

具体的には咬合器の上弓のアームと咬合平面が平行になるように、正中が指導釘と一致するように咬合平面版などを使ってマウントしていきます。

マウント後の形態修正

作業用模型を咬合器に装着後、補綴物を製作していくわけですが口腔内での調整を少なくするために臼歯部の咬合面形態を製作していく時の注意点があります。

具体的には、咬合器を側方運動させるときにクラウンと対合歯が干渉しないように過補償的にスペースを多めに作って形態修正をしておきます。

というのは、咬合器が完全に人間の顎運動を再現できるわけじゃないからです。

そうすることによって、さらにチェアーサイドでの調整を少なくすることができて補綴物の予後も良くなるので是非試してみてください。

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クラウンが高い!割れた!咬合調整を少なくするために注意すべきポイントを紹介 まとめ

上記の点を守って技工物を製作していると、結果肌感覚で8~9割ぐらいはマウントでの問題はないと感じています。

以前は今のように知識や経験がなかったので咬合調整が多すぎてドクターから怒られていましたし、その当時に作ったメタルボンドの予後を画像や模型を通して見てみると咬合面が崩壊していたり補綴した部分がパーシャルデンチャーに代わってたりします(^^;

本来ならもう一度やり直したい気持ちなのですが、なかなかそういうわけにもいかないので今後の補綴物を全力で制作していきたいと思います。